今回比較するアイテムは、木工等のDIYには必須の「インパクトドライバ」です。
インパクトドライバで出来ることは「穴をあける」「ビスを回す」などがメインですが、
先端に取り付ける「ビット」を交換することにより様々な用途に使用できます。
そのため、使用する頻度はかなり高いです。
今回紹介するインパクトドライバーは、各メーカーの最上位機種で、
各メーカーいろいろな機能を盛り込んだ、最高の仕様となっています。
DIY歴が長く、もう一台買い増しの方はもちろんですが、DIY初心者の方へもお勧めです。
- 下位モデルに比べ、耐久力が高い
- 下位モデルに比べ、精度が高い
- いろいろなモードがあり、シチュエーションに合わせて力を変えてくれる機種あり
- バッテリーが他の電動工具と共用できるものが多い
目次
1 メーカー別性能比較
たくさんあるメーカーの中から今回ピックアップしたメーカーの簡単な紹介をします。
- マキタ・・・国内シェアNo1で、幅広いラインナップを持っている。修理体制も充実している
- HiKoki・・・国内シェアNo2(旧日立工機)性能重視で、バッテリーの互換性が高い
- 京セラ・・・国内シェアNo3(旧リョービ)お手頃な工具が多く、DIYユーザに人気
- パナソニック・・・電気工事系の工具ラインナップが豊富、バッテリーに定評あり
- MAX・・・エアー工具のシェアが高く、電動工具もフィーリングがよく使いやすい
- ボッシュ・・・ドイツ生まれで、世界シェアNo2 先進的な工具開発が盛ん
以上、電動工具大手6社の最上位機種となります。
1-1 性能比較表
メーカー | マキタ | HiKOKI | 京セラ | パナソニック | MAX | ボッシュ |
機種 | TD171DRGX | WH18DDL2 | BID-10XR | EZ75A7 | PJ-ID152R-B2C | GDR18-200C6 |
最大締付 トルク*1 | 180nm | 177mn | 180mn | 160mn | 165mn | 200Nm |
重量*2 | 1.5kg | 1.5kg | 1.5kg | 1.7kg | 1.5kg | 1.7kg |
ヘッド全長*3 | 116mm | 127mm | 106mm | 117.8mm | 109mm | 126mm |
最大回転数*4 | 3600回/分 | 2900回/分 | 2900回/分 | 2500回転/分 | 3000回/分 | 3000回/分 |
モード*5 | 4モード 楽々モード(木材・ボルトテクス厚板・テクス薄板) 強さ4段階 | 1モード テクスモード 強さ4段階 | 2モード テクスモードロックオンモード 強さ3段階 | 1モード テクスモード 強さ3段階 | 1モード 増締めモード 強さ3段階 | 強さ3段階 |
最大バッテリー容量*6 | 6Ah | 6Ah | 6Ah | 5Ah | 5Ah | 6Ah |
充Ah電時間 *7 | 27分/80% 40分/満充電 | 30分/満充電 | 31分/80% 47分/満充電 | 40分/実用充電 60分/満充電 | 65分/80% 80分/満充電 | 35分/75% 55分/満充電 |
明かり *8 | LED2灯(右・左) | LED1灯(下) | LED3灯 (左上・右上・下) | LED1灯(下) | LED2灯 (右・左) | LED1灯 バッテリー上 |
モーター *9 | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス |
色 | 5色 白系・青系・赤系・ 黒系・茶系 | 5色 白系・緑系・赤系・ 黒系・黄系 | 3色 白系・緑系・金系 | 5色 白系・青系・赤系・ 黒系・ピンク系 | 3色 青系・赤系・黒系 | 1色 青系 |
防塵・耐水 | APT(独自)*完全防水ではない | IP56 | IP56 | IP56 | MAXIEGS(独自) 水没試験も実施 | ETP(独自) |
その他 一押し機能 | 「ゼロブレ ダブル」のボールベアリングでビットのブレを低減 | センターバランス設計 充電器にてUSB機器を充電できる オプションでマルチボルト36Vあり | デザインにこだわり 重量バランスがいい | センターバランス設計 芯ブレを低減 カーボン調柄マルチボルト18V・14.4Vどちらのバッテリーも使用できる | ランタンモード 正逆回転がスイッチx感圧センサーのトリガースイッチ等、操作に工夫があり | コネクト機能 スマートフォンで、セッティング出来る |
メーカー価格 (税抜き) | 68100円 | 68600円 | 71000円 | 69800円 | 69800円 | 66000円 |
Amazon 価格(2019年8月現在) | 45180円~ | 42400円~ | 49499円~ | 41212円~ | なし | 41190円~ |
Amazon 価格(単品) | 15757円~ | 17589円~ | なし | 14869円~ | 19300円~ | 18380円~ |
一言 コメント | 多彩なモード設定 | 充電が早い | かっこいい | バランス重視 | 防塵・防水がすごい | パワー重視 |
1-2 表の中にある用語解説
上にある表の中には難しい用語も含まれていましたので、一つ一つ解説していきましょう
*1 | 最大締付トルク | ねじを締め付ける時に回転させるための力です。この数値が大きいほど力強く、より硬い木に、より長いねじを締めることができます。 |
*2 | 重量 | そのままズバリ、バッテリーも含むインパクトドライバの総重量となります。重さの約半分はバッテリーで、バッテリーの容量が小さいと重さも軽くなります。 |
*3 | ヘッド全長 | ビットを取り付ける金具から後ろまでの長さ。短いほど取り回しがいい。 |
*4 | 最大回転数 | 回転数が多い=仕事が早い |
*5 | モード | モードと、強さの段階を設定できる。強さは3段階くらいは欲しいところ モードは各メーカーいろいろありますので、それぞれ解説しましょう。 |
| ||
*6 | 最大バッテリー容量 | 1充電当たりの仕事量(何本釘が打てるかなど) |
*7 | 充電時間 | 短いほど充電にかかる時間が少ない。 |
*8 | 明かり | LEDの数が多いほうがビット先の対象物に影が出来づらい |
*9 | モーター | ブラシレスのほうが本体が「小型」「高性能」である。しかし「高価」である。 |
2 メーカー別注目ポイント・おすすめ6選
2-1 マキタ TD171DRGX
マキタの最上位機種また、
プロの職人さんたちにも絶大な信頼を得ている一品
しかも初心者にも、とても優しく「楽らくモード」は、トリガー(スイッチ)を握るだけで、
シチュエーションに合わせて自動で回転制御してくれるため、初心者でありがちな、
「ねじの倒れ」や「ねじをなめてしまう」リスクを低減できます。
また、軸受け部にボールベアリングを2つ使用することにより、ブレを低減。これも「ビス倒れ」や
「ビスなめ」低減に大きく貢献しています。
以上のことから、プロはもちろん、初心者の事まで考えられているバランスの取れた一台です。
また、今後電動工具を増やす場合にバッテリーが使いまわせる事は、とてもメリットとなり、
よりマキタのファンになっていきます。
2-2 Hikoki(日立工機)WH18DDL2
こちらのHikoki最上位モデルは
バッテリーを装着した状態での重心が真ん中にあり、バランスがとてもいいことが美点です。
バランスがいいと、重さを感じずらくなり、作業もしやすくなります。
また、バッテリーの充電速度がとても速く、連続で作業する際には
とても重宝します。
ラインナップはマキタの次に充実しています。
また、Hikokiはバッテリーに、とても力を入れており、「MultiVolt」という、
18Vと36V兼用できるシリーズも続々と展開しています。
2-3 京セラ(リョービ)BID-10XR
2017年グッドデザイン賞を受賞しており、とにかくカッコいいです。
デザインは、GM、ポルシェ、マセラティをはじめとするカーデザイン、新幹線から腕時計まで
国内外で高い評価を得ている工業デザイナー 奥山 清行氏が代表を務める
株式会社KEN OKUYAMA DESIGNとのコラボレーションによるものです。
手にした時に感じる高い親和性が、ツールと一体になった無駄のない動きを生み出し、
優れた使用感と作業性を実現します。
また、かっこいいだけではなく、ヘッドの全長も今回紹介したものの中で一番短く、
取り回しがよく、とても実用性も高くなっています。
他工具全体で比較をするとHITACHI・マキタ・パナソニック等にはまだまだラインナップも及びませんが
XRシリーズで他の工具のラインナップも充実されることが予想されます。
2-4 パナソニック EZ75A7
基本性能をしっかりと踏まえており、バランスのいい製品となっています。
それに加え、本体底部に「エラストマバンパー」という滑りにくい樹脂を使用しており、屋根など高いところからの落下を防ぐ機能や、「トレッドデザイングリップ」という、汗をかいた手でも滑りにくいグリップを確保する機能等を備えています。
ほかのメーカー同様6Ahのバッテリーモデルが欲しいところですが、最大5Ahとなります。
しかし、14.4V、18Vとマルチに対応しており、共通バッテリーの工具ラインアップは、マキタ・Hikoki等と同等に充実しており、使い勝手はいいです。
2-5 MAX PJ-ID152R-B2C
操作方法を独自開発した「クイックリバースモード」や、明かり代わりにもなる「ランタンモード」等、ユニークな機能がたくさん詰まったモデルとなります。また、モード切替も片手で切り替え可能な「片手モード」があります。
他のモデルに比べ、少々くせがありますが、慣れてしまえば手放せなくなるでしょう。
突然の大雨など予期せぬ降雨や、その後の放置を想定し、水没と放置を複合したとても厳しい「水没・放置試験」や、作業場にある、おがくずやコンクリート・石膏の粉、更に結露や突然の降雨などを想定した「粉塵・降雨サイクル試験」を行っており、他メーカーに比べても対水・対塵に優れています。
雨の中、木くずなどのホコリの多いところでガンガン使用される方にはおススメです。
2-6 BOSCH GDR18V-200C
今回エントリー唯一の国外メーカーとなります。
トルクの強さはNo1で、価格の安さも他社を一歩リードしてます。
他社には無い機能として、「コネクト機能対応(Bluetooth送信機)」があります。オプションとはなりますが、「GCY30-4コネクティビティチップ」を装着することにより、スマートフォンのToolboxアプリから様々な設定・状況確認をすることが可能となります。例えば、インパクトが停止したときに、「水が入ったので電流遮断」とか「オーバーヒートしそうなので停止」などなど、機械の状態が分かります。ほかにも、使用履歴のフィードバックや、LEDライトの明るさ調整なども行えます。
3 まとめ
このクラスの工具の長所・短所をまとめます
メリット
- すべてのモデルが基本性能は備えており、プロもお墨付き
- パワーは十分で、バッテリーの持ちも非常に良い
- 防塵・防水も備えていて、タフな屋外使用もOK
- 耐久性に非常に優れている
- 豊富なモード・強さの設定がある
デメリット
- 価格が高い(バッテリーセットだと70000円前後)
- 女性や、子供が使用するには重い(1.5kg前後)
今回紹介させていただいたクラスのインパクトドライバーは
各メーカーの威信がかかっているため、基本的な性能はどれも満足いくものとなっています。
どれを購入しても、性能に不満が出ることはあまりありません。
2台目の購入時はもちろん、初心者にも豊富なモードによるサポートで作品の出来栄えが上がるため、初めてのインパクトドライバとしても、予算が許せばおすすめです。
刃物も電動工具も性能がいいと使っていて楽ですし、私も、初めからこのクラスのインパクトドライバと出会っていれば、失敗も減ったかもしれません。
ぜひ検討してみてください。
コメント